幼児期に、言っても聞かないのは?

病院での困った出来事

先日、とある病院で、こんな光景を目にしました。

診察に来ていた兄弟は待合室で大きな声を出して、動き回りふざけ合い、母親はずっとスマホを見ていました。
ママは注意しないのかな…とは思っていたら、一人のおじいちゃんが子供たちに近寄り、優しく

「静かにしないといけないよ」と、一言。

そこに母親がやってきて、

母親:「すみません」
お年寄り:「子供に注意した方がいいよ」
母親:「注意するんですけど、言っても聞かないんです」

そこで順番がやってきたので、その後、どうなったかは分かりませんが、おじいちゃんは、とても優しい口調で伝えていました。

子育て中のママは、このお母さんの気持ち、よく理解できると思います。では、どうして言っても聞かないのでしょう。原因として、主に二つあると私は考えます。

なぜ静かにするのか分かっていない

病院では静かにすることはママから教えてもらっているけど、なぜ静かにしないといけないのかが分からないのです。この子にとっては、「病院=静かにする」というマニュアルでしかなく、心が伴っていないのです。

私達大人も、なぜこうしないといけないの?と思っていても、理由が分かると納得し、自ら行動に移すものです。

この子にも、

「病院は具合が悪い人が沢山来るところだよ。○○ちゃんもお熱が高くてきついときに周りでうるさくされたらどう思うかな?」

「赤ちゃんや体の不自由な方などもいるから、もしぶつかってしまったらどんな思いをするだろう?」

など、幼児期は自分が患者さんの立場だったら…ということを考えさせることによって、理由を理解し、行動に移しやすくなります。考えることによって共感し、自ら行動をすることができるのです。その子供さんの成長に合わせた言葉でしっかり伝え、考えさせるとがポイントとなります。

忘れてはいけないのは、実行できたときにしっかり褒める事。自分の行いを認めてもらえたことで、次にも繋がります。

我慢ができない

病院で静かにすることは理解していても、我慢が出来ない、つまり自分をコントロールすることができないのです。

「静かにしなければならない」<「今はふざけて遊びたい」

の状態です。


病院に行く前に、お約束をしてみましょう。

「病院ではふざけて走り回っていいかな?」
「ダメ」

「じゃあ、病院で静かに待つってお約束できるかな?」

など、改めて理解させる事、お約束することによって、子供さんの心に届くと思います。我慢することは、自分の感情をコントロールすることです。

万が一、ふざけあってしまったら、「お約束は何だったかな?」と考えさせてみましょう。

そして、お約束が守れたら、しっかり褒めてあげてください。次に繋がります。

まとめ

なぜ、言っても聞かないのか、理由を考えてみる事は、とても大切です。上記はあくまでも私の考えですが、子供さんによって、様々な理由が考えられると思います。

昔なら、叩いて静かにさせる選択肢もあったでしょう。確かに威圧して静かにすることは、簡単かもしれません。
もし、叩いて静かになったとしても、それは自ら理解して行動した結果の「静かにしよう」ではなく、
「叩かれたくないから静かにする」と思っての行動となりますので、教育としては少しずれていますね。

幼児期は、生活そのものが勉強、これらも全て経験です。経験の中で様々な成功や失敗を積み重ね、経験値を上げ、子供さんは成長していきます。一回で聞いてもらえなくても、根気強く伝えてあげてください。いつか、分かる日が来ます。子供の成長を社会全体で、温かく見守ってあげられるような世の中であってほしいと思います。

当教室のリトミックでは、音楽活動を通じて、考える力、我慢する力も育んでいきますよ。お子様の健やかなる成長のお手伝いが出来ましたら、嬉しいです。